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光である理由

伝送損失が小さい

石英を用いた光ファイバの伝送損失は波長1.551kmで約5%失われ、100kmで約1%以下なので、伝送路の中では一番伝送損失が小さい

伝送帯域が広い

光ファイバの伝送損失が小さい波長帯域(伝送の窓)が広い(1dB/km以下の伝送損失が得られる波長帯域が0.8~1.7μm、周波数帯域だと200THz)

敷設が容易

光ファイバが細くて(1本当たり直径125μm程度、プラスチック部分を加味しても1~2mm)軽いので、導波管伝送路の敷設作業よりも格段に容易
電気を用いないので作業者に対しても安全

漏話が少ない

光ファイバは電磁誘導の影響を受けないので、密集して光ファイバケーブルを構成することができる
電磁誘導を受けやすい環境でも高品質な伝送を行えるので、外部からの雑音に強いといえる
電気を用いないので漏話が少なく、秘匿性も高いといえる

耐環境性に優れている

光ファイバは石英でできているので、耐高熱性、耐薬品性に優れている
電気を用いないので落雷などの過電流によるシステムダウンも心配がない

経済性が良い

光ファイバの原材料である石英は地球上で最も多い原料であるためにコストが安く済む
少量の原料でも長尺の光ファイバが製造でき経済的である

伝送帯域が広く、密集して構成でき、周波数多重や時分割多重技術によって、大容量で超高速な伝送を行うことができる

伝送損失が小さく、耐環境性に優れ、電磁誘導の影響を受けないことから、中継器までの距離を長くすることができ、高品質な長距離伝送を行うことができる

ちなみに、同軸方式での中継間隔は、伝送速度400Mbit/sのDC-400M方式では1.5km、長くても5kmであるが、光ファイバ通信では、1.3μm波長帯を用いた初期の実用方式でも中継間隔が40km、1.55μm波長帯を用いた方式では、伝送速度が10Gbit/sの方式でも80km、エルビウムドープ光ファイバ増幅器では伝送速度620Mbit/sの方式で160km、遠隔励起エルビウムドープ光ファイバ増幅器では300km近い距離が達成されている

光でない理由

新たな通信網の構築が必要となるため,費用がかかる

光の性質

光には、粒子と波の2つの性質がある

種類

周波数が低い周波数が高い
波長が長い約800nm~1mm約400~800nm約1~400nm約1pm~10nm約10pm以下波長が短い
赤外線可視光紫外線エックス線ガンマ線

周波数

真空中を進む場合には f = c/λ
つまり,周波数[MHz] = 電波の速度(約300 × 10^3 km/s) ÷ 波長[m]
電波よりも周波数は高い
一般的に周波数が高いほうが多くの情報を伝送することができる

波長

真空中を進む場合には λ = c/f
つまり,波長[m] = 電波の速度(約300 × 10^3 km/s) ÷ 周波数[MHz]
1 mm~2 nm程度で長いものから赤外線・可視光線・紫外線に分けられる
電波よりも波長は短い

cf. 電磁波は電波・光・X線・ガンマ線などに分かれる
電波は周波数が3 THz(300万 MHz)以下、波長が10万 km以上

屈折

媒体における速度差による

反射

反射の法則を満たして入射角と反射角とが等しく反射される
全反射は、入射角が大きくなるにつれ透過光が減り、臨界角で反射光が100%となる現象
cf.水の場合は48度

干渉

複数の波が干渉し、強めあったり弱めあったりする現象

散乱

微小な粒子にぶつかった際に四方八方に飛び散る現象
波長が短いほど起きやすい

光速

c = 299,792,458 m/s ≒ 30万 km/s (1秒間に地球を7回転半)

直進性

電波よりも直進性が強いので特定の方向へ伝わりやすい

光ファイバの材料

光ファイバ母材としては、低損失性、線引きの容易性、化学的安定性、機械強度から考慮される。

石英ガラス

クラッドの外径が125μm程度の細い線
0.2~4μmまでほぼ透明
化学的にも安定性に優れている
融点が1700℃以上と高いため加工性が悪いが、機械的にも化学的にも安定
天然に産する水晶を溶融して透明な石英ガラスを製造できるが、金属不純物やOH基を含むため光通信に用いるほど低損失化することが困難
四塩化シリコンを酸化反応や火炎加水分解反応によって合成する合成石英は、不純物を含まない超高純度ガラスを製造できる
極めて損失が低いので、長距離の通信に向いている
最も損失が小さくなる波長は1.5μm付近の赤外線領域にあるため、赤外線が使われる
ガラスであるために、無理に曲げたり強い力を加えると壊れやすい

多成分ガラス

ガラス軟化点が700~800℃と低い
コアとクラッドとの比屈折率差を大きくとれる
揮発性が低く、均質性の良いガラスが得られやすい
加工しやすい材料のために安価
もろい
不純物が入っているために損失も大きい

プラスチック

クラッドが20~40μm程度で、コア径が0.1~数mm程度であるため、石英ファイバよりもとても太い
プラスチックの屈折率は、種類によって大きく変化するために高NAのファイバを製造できる
水素基による吸収のため近赤外域では損失が大きく、可視域で比較的低損失になる
損失が大きいため、数十m程度が限度
ガラスよりは丈夫で曲げやすい
コアが太いので、レーザや発光ダイオードなどの光を集めやすいことから、微調整などにコストをかけられない家庭向き製品や、振動が多くてずれやすい車の中の配線などに使いやすい

複合材料系ファイバ

コアに石英ガラス、クラッドに強化プラスチックを用いたもの
ガラスの割れやすさをクラッドのプラスチックで補っている
石英ガラスの低損失性とプラスチックの使いやすさを併せ持つファイバ

光ファイバの構造

2層ガラス構造

2層であることにより、衝撃に強い

屈折率差比の極めて小さい2層ガラスを用いることで、全反射をしにくくさせている
全反射がしやすいということは、全反射がいろいろな入射角でできるということである
そうなると、異なる経路で光が進んでいくので位相がずれてしまう
位相がずれてしまうと問題があるので、あえて全反射する入射角を絞ることでこの位相がずれる問題を解消している

全反射がしにくいということは、より全反射させる光は進行方向に対して平行に近くなる
そうなると、反射回数が少なくなるので、伝送速度が反射回数が多いものと比べると速くできるという利点もある

半導体レーザ

ファブリペロー型(FP)レーザ

複数の波長の光を同時に出す.レーザ構造が簡単で製造も容易なので安価.
光は反射鏡の間に閉じ込められて往復する.
光ファイバ中を進む光の速度は波長によって異なるため,送信したディジタル信号が時間的に広がり,ディジタル符号誤りが生じる恐れがある.通信速度を速くするほど信号が重なり,波形劣化が大きくなってしまうため,伝送距離が制限される.よって通信速度はDFBレーザよりも遅い.

分布帰還型(DFB)レーザ

単一波長の光を出す.
単一波長のためディジタル信号の波長がずれることがないので,高速・遠距離通信が可能.
1波長しか出てこない理由は,N型半導体が山切りカットされていることがポイント.N型半導体の山切りカットされたそれぞれの山にレーザ光が当たり,跳ね返る.山の周期2倍の幅を持つ波長は,進んできた光の波と跳ね返った光の波が重なり合って,強め合う(山切りカットは回折格子と呼ばれる).山の周期2倍の幅を持つ波長以外の光は進んできた光と,跳ね返った光の波のタイミングがずれるので,少しずつ打ち消しあう.
共振可能な縦モードが回折格子の波長の前後に2つ存在し,同時に発信する恐れがあるため移送の調整機構が必要.2モード発振を抑えるため,共振器の中央付近にλ/4の位相シフトを設けている.
1波長しかないため,0と1の信号を判断しやすいので,送信速度を速くできる.

関連単語

FTTH

Fiber To The Homeは光ファイバを伝送路とした中継局からユーザー宅までの通信網のこと

位相速度

光の位相が進む速度

群速度

光のエネルギーが進む速度.変調信号の伝搬速度でもあり,光伝搬に伴う情報伝達の時間遅れを決定する.

群速度分散

光の周波数によって群速度が異なる現象.特に,群速度の逆数の周波数に対する傾きのことを指すことが多い.

群遅延

光のエネルギー伝搬に伴う時間遅れ.光伝搬に伴う情報伝達の時間遅れに相当する.

光ファイバ

ガラスやプラスチックから成り、ガラス中の水分を除去するなどして光の吸収を抑えている
光通信に使うレーザー光は、波長が1.3~1.6μmの近赤外線を用いている
その理由は、ガラスに最も吸収されにくいことである
内部は2層になっており、内側のコア部分には屈折率の大きな物質を、外側のクラッド部分には屈折率の小さな物質を用いている
光ファイバのタイプには大きく3種類ある
・マルチモード・ステップ型(光が全反射を繰り返して進む光ファイバ)
・マルチモード・グレーディッド型(光がカーブしながら進む光ファイバ)
・シングルモード型(光がまっすぐに進む光ファイバ)
経路が短くて済むので長距離伝送に向いている

光ファイバ通信

光ファイバ内に光信号を伝送することで、大容量伝送を可能にする技術
1本の光ファイバ伝送路で伝送容量30Tbpsを超える実験結果もある

光ファイバ無線(RoF)

Radio over Fiberは無線信号を光信号に変換し、光ファイバ伝送する通信技術
光の広帯域性を生かし、無線信号の振幅・移送情報をそのまま光信号の強度変化に変換し、光ファイバ中を伝送する

参考サイト

総務省

光通信 - Wikipedia

NTT

未来ねっと研究所

NTT東日本

FLET'S

NTT西日本

フレッツ

KDDI

auひかり

ソフトバンク

光の道

ケイ・オプティコム

eo

中部テレコミュニケーション

コミュファ光

北陸通信ネットワーク

UCOM

エネルギア・コミュニケーションズ

MEGA EGG

STNet

ピカラ

九州通信ネットワーク

ビビック

沖縄通信ネットワーク

NEC

富士通

富士通研究所

沖電気