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薬
| 薬名 | 効果 |
| アズサレオン錠20 | 気管支喘息、アレルギー性鼻炎、(湿疹・皮膚炎、皮膚そう痒症、痒疹、蕁麻疹)、そう痒の尋常性乾癬 |
| セレスタミン配合錠 | (アレルギー性鼻炎、湿疹・皮膚炎群の急性期、湿疹・皮膚炎群の急性増悪期、薬疹、蕁麻疹<慢性例を除く>) |
| レスタミンコーワクリーム | 抗ヒスタミン作用により、発赤、膨疹、かゆみなどのアレルギー性皮膚症状を和らげます。通常、じん麻疹、湿疹、小児ストロフルス、皮膚そう痒症、虫さされの治療に用いられます。 |
| リンデロン-VG軟膏 | 炎症を抑える合成副腎皮質ホルモン剤(ステロイド)と抗菌作用のある抗生物質の配合剤で、皮膚のかゆみ、赤み、はれなどの症状を改善します。通常、細菌感染をともなうか、そのおそれのある湿疹や皮膚炎などの治療に用いられます。真菌などの感染による炎症には原則用いられません。また、治りが遅くなるおそれがあるので、皮膚潰瘍や重いやけど、凍傷には用いられません。 |
| プロペト | 皮膚を保護する働きがあります。通常、いろいろな薬を軟膏の形にするために使用されます |
アトピー性皮膚炎(英語:atopic dermatitis)
湿疹(皮膚の炎症)を伴うもののうち、アレルギー反応と関連があるもの。先天性の過敏症の一種。
概要
アトピー性皮膚炎は、アトピー型気管支喘息、アレルギー性鼻炎、皮膚炎の蕁麻疹を起こしやすいアレルギー体質(アトピー素因)の上に、様々な刺激が加わって生じる痒みを伴う慢性の皮膚疾患と考えられている。患者の約8割は5歳までの幼児期に発症する。従来学童期に自然治癒すると考えられていたが、成人まで持ち越す例や、成人してからの発症・再発の例が近年増加している。これについては、人口密度や住宅環境の変化が要因であるとする意見や、軽症患者の医療機関への受診が増えたことを指摘する意見がある。
アトピー性皮膚炎のガイドラインには、厚生労働省によるものと、日本皮膚科学会によるものがある。厚生労働省診断ガイドラインは皮膚科医に限らず広く一般の臨床医に参照すべきものとして作成されている。「改善が見られない場合は専門医に任せるように」としているように、プライマリーケアの意味合いが強い。一方、日本皮膚科学会診断ガイドラインでは、皮膚科医が参照すべき内容になっている。主に皮膚の病変に着目した内容になっており、より厳密な診断基準になっている。このように2種類のガイドラインがあり、治療内容にねじれが発生する可能性もある、という意見もある。
ステロイド(副腎皮質ホルモン剤)
ステロイド外用剤は、副腎皮質ホルモン(ステロイド)により過剰になっている免疫反応を抑制し、症状を和らげる効果がある。もっとも効果が高いとされる薬剤である。外用剤にはランクがあり、「Weak(弱い)」「Medium(普通)」「Strong(やや強い)」「Very Strong(かなり強い)」「Strongest(最も強い)」に分けられ、症状の度合い・炎症の発生部位によって使い分ける。ステロイド外用剤は薬局・薬店などで入手出来るものもあるが、強いランクのものは医師の処方箋を必要とする。
ステロイド外用剤を皮膚に長期使用すると皮膚萎縮、皮膚感染症の誘発、毛細血管拡張などの副作用が生じることがある。しかしながら治療が困難な患者やアトピービジネスがその弊害を過剰に主張したり、内服薬の副作用を外用薬のそれと混同することもあり、治療現場は混乱している(ステロイド皮膚症を参照のこと)。
日本皮膚科学会で示される治療ガイドラインによると、ステロイド外用剤の中止によるリバウンド(Rebound effect)(急激な症状悪化・再燃)に関する言及はない。
症状が重く QOL(生活の質)が著しく低下している場合は密封塗布や皮下注射を行ったりすることもある。或いはステロイド内服薬を服用する場合もある。
【ステロイド外用薬の薬効】 ステロイドとは副腎皮質ホルモンのことで、もともと副腎で作られるものです。 副腎には髄質と皮質が存在します。髄質はストレスや怒りを感じると、アドレナリンを放出し、血圧を上げたり、 血管を収縮させる機能を持ちます。それに対し、皮質はグルココルチコイドというホルモンを放出するのですが、 このグルココルチコイドが強力な「抗炎症作用」と「免疫抑制作用」を持つのです。 このグルココルチコイドを人工的に合成し、効果を何十倍にも強くしたものがステロイド外用薬なのです。 ステロイド外用薬は分子のサイズが小さく脂溶性のため、皮膚から急速に浸透するため、即効性も高いのです。 ステロイド外用薬は、細胞に直接作用して細胞のエネルギー代謝を変化させることにより炎症を抑える 「抗炎症作用」と、アレルギーを引き起こすT細胞の働きを抑えるとともに、炎症の原因となるヒスタミンを 放出するマスト細胞の働きも抑えることにより、炎症の原因を根本から断ってしまう「免疫抑制作用」の 2つの働きで、アトピー性皮膚炎の症状を強力に抑えるのです。 【ステロイド外用薬の副作用】 このような強い薬効性を持つステロイド外用薬ですが、その強さゆえに様々な副作用を発生させてしまうのです。 ステロイド外用薬の副作用は大きく局所性副作用と全身性副作用の2つに分けられます。 局所性副作用には皮膚萎縮、毛細血管の拡張、多毛、細菌やウィルスによる感染があげられます。 もっとも初期に現れる局所性副作用は、皮膚萎縮や毛細血管の拡張です。皮膚萎縮はステロイドが 表皮の増殖と再生を抑制することで皮膚が薄くなり、静脈が枝状に浮き上がるようになります。 毛細血管の拡張により、わずかな温度変化によってもすぐに顔が赤くなったりします。 そして一度生じた毛細血管の拡張は正常に戻るまで1年以上かかり、場合によっては、戻らない場合もあります。 また、ステロイドによる多毛に関しては、小児に特に現れる副作用ですが、ステロイド外用を中止することで、 次第に回復します。 さらに、ステロイドを外用した患部の免疫力が抑制されるため、白癬菌やカンジダ、黄色ブドウ球菌、 溶連菌などに感染し、合併症を起こすことがあります。 一方全身性副作用に関してですが、ステロイド外用薬を使用することにより、 副腎皮質の機能が抑制されることがあげられます。大量に強いステロイド外用薬を使用しても、 それが短期間であれば、副腎皮質機能は回復しますが、長期にわたって使い続けることにより、 副腎皮質機能が元に戻らなくなり、使用の中止によって、以前よりもひどい炎症を起こしてしまうのです。 そのほかに、目の周りにステロイド外用薬やステロイド点眼薬を長期で使用することにより、 眼球のレンズが不透明になり、緑内障や白内障を誘発することも知られています。 ステロイド外用薬は、皮膚の炎症のひどいときに必要十分な量を短期で使用し、 炎症が治まった時点で徐々に使用頻度を少なくした後に中止することにより、 副作用を極力起こさないようにすることが重要です。副作用が怖いからといって、一回に塗る量を減らすと、 十分な抗炎症効果が得られず、だらだらと使い続けることで、 かえって重大な副作用を招いてしまうということを忘れないことが大切です。 【リバウンド現象】 リバウンド現象については、マスコミや民間療法などによる様々な情報が氾濫しているため、 本当の定義が何なのかわからなくなっている方も多いのではないでしょうか。 よく聞かれるのは、「脱ステロイド療法」によって、ステロイドの使用を急に中止することで、 顔がパンパンに腫れ上がり浸出液で服やシーツがベトベトになってしまう状態を「好転反応」と呼んだり、 「ステロイドの毒を体から追い出している状態」というものです。 また、「ステロイド外用薬では副作用は全く起きず、リバウンドは単にステロイド使用を中止したために、 症状が悪化しただけである」という医者もいます。 しかし、これらはどちらも極端であり、正しい認識ではありません。 そもそもリバウンド現象と呼ばれる症状は、ステロイドの副作用が最大の原因となって起こるものなのです。 先に説明したステロイドの副作用の中に、「副腎機能の抑制」と「免疫機能の抑制」がありましたが、 主にこの2つの副作用によって、リバウンド現象が起きるのです。 ステロイドを長期間使い続けることで、体外から強力なステロイド(副腎皮質ホルモン)を与えてしまうため、 元々副腎で生成されていたステロイドの量が以前よりも減少します。この状態で急に「脱ステロイド」を行うと、 「増悪因子」が取り除かれていないにもかかわらず炎症を抑えるものが全くなくなるため、 一気にひどい炎症を再発し、患部が腫れ上がって血液内の液体部分である血漿(浸出液)が染み出てきます。 さらに、患部の免疫力が低下しているため、黄色ブドウ球菌や、ヘルペスウィルス、白癬菌などが繁殖し、 合併症を起こしたりもします。 決して「毒を追い出している」のではく「血液の一部が染み出ている」のであり、 決して「好転」しているのではなく細菌などに「感染」している「危険」な状態なのです。 これがリバウンド現象の真実です。 【ステロイド外用薬の種類】 ステロイド外用薬には、下の表のとおり、その薬効の強さによってStrongest(最も強い)から Weak(かなり弱い)まで5種類に分類されます。
| 強さ | 薬品名 | 商品名 | |
| Ⅰ群 | Strongest | プロピオン酸クロベタゾール | デルモベート |
| 酢酸ジフロラゾン | ジフラール ダイアコート | ||
| Ⅱ群 | very-strong | プロピオン酸デキサメタゾン | メサデルム |
| 吉草酸ジフルコルトロン | ネリゾナ フルオシノニド トプシム シマロン | ||
| 酪酸プロピオン酸ヒドロコルチゾン | パンデル ジフルプレドナート マイザー | ||
| ジプロピオン酸ベタメタゾン | リンデロン-DP アムシノニド ビスターム ハルシノニド アドコルチン ブデソニド ブデソン | ||
| フランカルボン酸モメタゾン | フルメタ | ||
| 酪酸プロピオン酸ベタメタゾン | アンテベート サレックス | ||
| Ⅲ群 | strong | 吉草酸ベタメタゾン | リンデロン-V※1 リンデロン-VG ※1 コルデールG ※1 トクダーム |
| 吉草酸デキサメタゾン | ザルックス ボアラ | ||
| 吉草酸酢酸プレドニゾロン | リドメックスコーワ エフカイT | ||
| プロピオン酸デプロドン | エクラー | ||
| プロピオン酸ベクロメタゾン | プロパデルム フルオシノロンアセトニド フルコート フルコートF※1 | ||
| Ⅳ群 | medium | 酪酸ヒドロコルチゾン | ロコイド プランコール |
| 酪酸クロベタゾン | キンダベート デキサメタゾン グリメサゾン※2 | ||
| ビバル酸フルメタゾン | ロコルテン プロピオン酸アルクロメタゾン アルメタ トリアムシノロンアセトニド ケナコルトA レダコート | ||
| Ⅴ群 | weak | 酢酸デキサメタゾン | デクタン |
| 酢酸メチルプレドニゾロン | ヴェリダーム・メドロールアセテート ヴェリダーム・ネオ・メドロールアセテート※1 | ||
| 酢酸ヒドロコルチゾン | コルテス テラ・コートリル※1 ドルマイコーチ メチルプレドニゾロン ネオ・メドロールEE※1 |
※1 抗生物質配合 ※2 効ヒスタミン剤配合 ステロイド外用薬の種類 そもそも、これだけの種類が存在するのは、ステロイド外用薬に副作用があるため、 患部の炎症のひどい箇所には強いものを、炎症が軽い箇所、 ないしはステロイドの経皮吸収の高い箇所には弱いものを適切に使い分け、 副作用の影響を最小限に抑えつつ、治療の効果を最大限に高めるためなのです。 たとえば、ステロイド外用薬の吸収率は、症状が出やすいひじの裏側を1とすると、 首は6倍、顔に至っては13倍も高いのです。 そのため、腕と顔に症状があれば、おのずと使用するステロイドの種類も異なりますし、 また、大人よりも幼児の方がステロイド外用薬の吸収率が高いため、 それらもステロイド外用薬をの種類を選択する際に考慮する必要があるのです。
| 部位 | 吸収度 |
| 前腕(裏側) | 1 |
| 陰嚢 | 42倍 |
| 顔 | 13倍 |
| 首 | 6倍 |
| わきの下 | 3.6倍 |
| 頭皮 | 3.5倍 |
| 背中 | 1.7倍 |
| 前腕(外側) | 1.1倍 |
| 手のひら | 0.83倍 |
| 足首 | 0.42倍 |
| 足の裏 | 0.14倍 |
ステロイド外用薬の体の部位による吸収力の違い しかし、すべてとはいいませんが、多くの医師はこれらの説明を患者にすることなく、 一方的にステロイド外用薬の種類を決定し処方することが多いことは確かです。 また、薬局に行けば「強い」クラスのステロイド外用薬を、何の規制もなく購入することができるのです。 そのため、正しい使用方法の説明を受けていない患者が、強いステロイド外用薬を顔に長期間塗り続けて、 副作用をを起こすことや、逆に副作用が怖いため、治療に十分なステロイドの量を塗らなかったり、 また、塗ったり、塗らなかったりを繰り返すことことで、結果として症状が改善せず、 副作用が出るほど長期間だらだらと使用してしまうという問題が生じるのです。 【ステロイド外用薬の選択と正しい使用方法】 「日本皮膚科学会アトピー性皮膚炎治療ガイドライン」によると、 皮疹の重症度に応じて以下の表のようにステロイド外用薬の選択基準が決められています。
| 皮疹の重症度 | 外用薬の選択 |
| 重症 | 高度の腫脹/ 浮腫/ 浸潤ないし苔癬化を伴う紅斑,丘疹の多発,高度の鱗屑,痂皮の付着,小水疱,びらん,多数の掻破痕,痒疹結節などを主体とする. 必要かつ十分な効果のあるベリーストロングないしストロングクラスのステロイド外用薬を第一選択とする. 痒疹結節でベリーストロングクラスでも十分な効果が得られない場合は,その部位に限定してストロンゲストクラスの使用もある. |
| 中等症 | 中等症までの紅斑,鱗屑,少数の丘疹,掻破痕などを主体とする. ストロングないしミディアムクラスのステロイド外用薬を第一選択とする. |
| 軽症 | 乾燥および軽度の紅斑,鱗屑などを主体とする。 ミディアム以下のステロイド外用薬を第一選択とする。 |
| 軽微 | 炎症症状に乏しい乾燥症状主体 ステロイドを含まない外用薬を選択する. 皮疹の重症度と外用薬の選択 |
(出典:日本皮膚科学会アトピー性皮膚炎治療ガイドライン) 医師向けのガイドラインのため難しい用語が並んでいてわかりにくいですが、要約すると次のようになります。 1. 重症 ひどい腫れやむくみ、カサカサ、皮膚が厚くなった状態、多数のブツブツ、 また、かさぶたができたり水ぶくれや、ジュクジュクした状態の場合は、「非常に強い」ないしは「強い」 ステロイド外用薬を使う。それでも効果がない場合は、塗る箇所を限定して「最も強い」ものを使用する。 2. 中等症 中程度の赤い斑点やカサカサ、ブツブツが少しあり、引っかき傷があるような状態の場合は、 「強い」ないし「弱い」ステロイド外用薬を使用する。 3. 軽症 軽い赤みやカサカサ、乾燥状態の場合は「弱い」「かなり弱い」ステロイド外用薬を使用する。 4. 軽微 乾燥しているが、炎症がない場合は、ステロイド外用薬は使用しない。 また、ガイドラインでは、例外として以下のものをあげています。 1. 幼児に対してステロイド外用薬を使用する場合、上の選択基準よりひとつ弱いものを使用する。 2. 顔面はステロイド外用薬の吸収率が高いので、原則として「弱い」以下のものを使用する。 また、連続使用する場合は1週間を限度とし、それ以上使用する場合は、間欠的に使用し、 その後使用を中止したら、ある程度期間が経つまでは再使用しない。 3. 顔面や首、ステロイドの副作用が起きている箇所にはステロイドよりも薬効が高く副作用の少ない 「免疫抑制剤」のタクロリムス外用剤(製品名:プロトピック)を積極的に使うが、 16歳以下の子供や妊婦に対する安全性が確立されていないので、それらの対象者には使用しないことと、 使用する場合は2週間を限度とする。 ステロイド外用薬の使用期間に関しては、「1日の使用量を5~10グラムとして、3ヶ月間までなら 、一時的な副腎機能の抑制による副作用が起きても、使用をやめれば副腎機能が元に戻る」としていますが 「2週間程度の使用であれば、副腎機能は一過性でしかも中止後速やかに回復する」という別の報告もあるため、 安全考えると連続使用は2週間程度にして、その後徐々に使用の間隔を開けて行き、 保湿剤に切り替えていくのがよいと思います。 なお、保湿剤は抗炎症成分の配合されたものを選び、細菌感染を防ぐために、 殺菌作用があり皮膚に刺激のない殺菌成分などを自分で混合して使用することで、 リバウンドを最小限に抑えることができます。 いずれにせよ、ステロイドは副作用があるため極力使用しないことをおすすめしますが、 すでに長期間使用している場合は、急に脱ステロイドをすることは合併症の危険性がありますので、 上記のように、徐々に中止するようにしてください。 【まとめ】 ステロイド外用薬は、そもそもアトピー性皮膚炎を完治させるための薬ではなく、 炎症がひどく保湿剤では症状をコントロールできない場合に、 期間を限定して炎症を鎮めるために使用するための薬です。 そして、ご存知の通り、様々な副作用があるため、 正しい知識を持たずしてむやみに使用することは確かに危険といわざるをえません。 しかし、塗る箇所や症状の度合い、また、顔や腕などによる吸収力の違い、 そして、使用期間の限度や使用を中止する際の方法などを考慮して正しく使用すれば、 副作用を発生させることなしに使用することも可能なのです。 今日、マスコミや民間療法によって作られたステロイドに関する様々情報が氾濫するなか、 患者の不安と混乱をなくすため、ステロイドに関する正確な知識は、 医者が患者にきちんと説明すべきなのですが、そのような医者が数少ないことも事実です。 それらの状況から自分自身の身を守るためにも、私たちは、 ステロイド外用薬の薬効や副作用などの知識を自ら持って、その上でステロイドを使用するかしないか、 また、使用するならば、いつどのように使用するかを冷静に判断していく必要があるのです。 そして、最終的にはステロイドを使用しないでも症状をコントロールできる技術を自分で身につけることが 最善の治療法なのです。
プロトピック(商品名・軟膏)
プロトピックとは、1993年から治験として使われ始め1999年6月に認可された、
タクロリムスという免疫抑制剤を外用剤として製剤したもの。元々臓器移植手術の際に用いられてきたもの
(商品名プログラフ)だが、その濃度を0.1%にして外用剤にしている。(小児用は0.03%である。)
ステロイドの「medium」の強さではないかと言われている。特に顔面や頸部において効果が高いとされ、
ステロイドの副作用が出やすい部位でもあることから、好んで処方される。プロトピックは分子量が大きいため、
正常な皮膚には作用せず、炎症が強く壊れた皮膚にのみ浸透していくことに由来している。
使用開始初期にヒリヒリとした刺激感や火照りを感じる人もいるが、
皮膚が慣れてくるにつれて徐々に治まってくる。
妊娠している方には使用禁止である。授乳中も使用できないとされているが念のためというニュアンスである。
塗布後に直射日光を浴びたり、紫外線療法による治療中に使用することなどは避けるべきとされている。
皮膚癌の発生率が高くなるという報告があるが白人のデータであり日本人には当てはまらない
とする意見もある。
副作用としては、ニキビの増悪がある。カポジ水痘様発疹症の発生率が高くなるとの報告がある。
マウスの実験で悪性リンパ腫の増加があるという報告がある。メーカーでは、
人間に使用した場合の影響はないと説明しているが、動物実験を根拠に危険を主張する人もいる。
精確な評価には多数の使用者を長期追跡することが必要であるため、完全な結論には時間が必要と思われる。
なおFDAは発ガン性への懸念から、処方を必要最小限とするように警告を出している。
保湿剤
アトピー性皮膚炎患者の皮膚は、明確な病変部位外にも、乾燥した特異な性状を示すことがある。
乾燥部位からは皮脂やセラミドが失われ、外部からアレルゲンの侵入を容易にしていると考えられている。
また痒みの一因ともなり皮膚の回復が妨げられている。炎症に対する治療だけでなく、
このような皮膚の性状に対処すること(スキンケア)もまた、治療の根幹である。
スキンケアを丹念に行うことにより劇的に改善することもあるため、ステロイド外用剤などだけでなく、
保湿剤を使用することは重要である。実際の処方では、ワセリン等の油性のものや、
適度に水分を含んだクリーム状の保湿剤(ヒルドイドソフト等)がよく処方される。
医療機関で処方されるものだけでなく、薬局・薬店で購入できるスキンケア製品でも効果が期待できる。
ただし患者の敏感な皮膚は製品によっては接触性皮膚炎を起こすこともあり、使用感がよく、
かぶれを起こさない製品を選択することが重要である。最初はいろいろ試して、
自分に合う保湿剤を探索するのも良い。
非ステロイド系薬剤
風邪薬などの成分である消炎・鎮痛薬(イブプロフェンなど)の外用剤 (アンダームクリーム、スタデルムクリームなど)を使用することがある。 いずれも穏やかでステロイドほど劇的な効果は得にくいとも言われる。接触性皮膚炎を高率に起こすことがある。 抗ヒスタミン外用薬(レスタミン軟膏など)を使用することがある。痒みは低下するが、 炎症を抑える効果は低いとされている。
その他
皮膚科の専門医が漢方薬を処方する場合もある。そのような場で処方される場合、
顆粒状に加工されたエキス剤であることが多い。健康保険が適用される。ツムラ、JPS製薬の項目を参照。
痒みが強い場合、必要に応じて抗アレルギー薬・抗ヒスタミン薬を使用する。
アトピー性皮膚炎の患者では、発疹→痒み→掻破行為→発疹にて悪循環になっていることが多い。
そのため、その悪循環を断つという意味で痒みを抑える効果のある抗アレルギー薬は有効である。
痒みのコントロールをすることは、皮膚の炎症の改善にもつながるということである。
IPD(アイピーディー)というTh2活性阻害薬が使用されることがある。花粉症でも使われる薬剤である。
アトピー性皮膚炎では、Th2細胞の亢進・サイトカインの中のIL-4・IL-5(アレルギー症状を誘発するもの)
の産生の増加がみられることがあるため、効果があるとされている。
効果が現れるのには数週間ほど時間がかかるという特徴がある。
痒みが強く睡眠がとれない場合、必要に応じて睡眠薬・抗うつ薬を使用することがある。
掻破による傷がある場合、亜鉛華軟膏を使用することがある。
ステロイドは使用されていないとして販売された化粧用保湿クリームに、
ベリーストロングのステロイドが少量混入されている事件が全国で数社、およそ数千個発覚し注意が促されている。
ステロイドが入っていないと信じて赤ちゃんや顔に使用した人がいるため注意を呼びかけるニュースが流れた。
これらのクリームを使用した人は、使用をやめると皮膚がカサカサし、
それがリバウンド症状に似ていることから気づいて訴え、調査から相当時間がたって混入が発覚した。
日常生活の指導
皮膚はいつでも清潔に保つ。
皮膚の保湿をおこない、乾燥させない。
爪は短く切り、滑らかに磨いて皮膚を傷つけないようにする。
適温・適湿の環境を心がける。
刺激の少ない衣類を着る。
汗をかいたらこまめに着替えるようにする。
室内を清潔に保つ。アトピー患者は特に皮膚のごみが部屋にたまりやすいので掃除機などでこまめに掃除する。